6.シックハウス対策・換気
(空気環境)
住宅室内の空気には、ほこり、微生物、建材や様々な設備をはじめ日常生活によって発生する水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素等多様な化学物質が含まれます。これら化学物質の中には、空気中の含有量がわずかであっても、人が刺激を感じるものや、さらに健康への影響があると指摘されているものがあります。現時点では、化学物質と健康との影響に関しての疫学的な因果関係が必ずしも明らかではないものも多数ありますが、特に近年、住宅に使用される建材などから室内に放散するホルムアルデヒドなどにより、健康に影響があったとする事例が報告され、「シックハウス問題」として取り上げられるようになってきています。実際には、住宅室内の空気中に微量に含まれる化学物質の組成や濃度は、温度、湿度、気流、住宅の気密性、建材などの使用量や養生期間、外気の影響などの多様な要因により容易に変動するものであるために、住宅の設計段階で予測することは極めて困難です。このため、ここでは、a住宅室内の水蒸気や代表的な化学物質の濃度を低減するための対策の基本的な手段と考えられる、 建材の選定と換気対策 の2つがどのように講じられているか。b住宅の完成段階で室内の化学物質の濃度の実測結果がどの程度であったのかを表示することとしています。aの対象としては、建築基準法でその使用が制限されているホルムアルデヒドを発散する建材を採り上げ、その発散量の大小の等級が日本工業規格(JIS)や日本農林規格(JAS)において定められていますので、どの等級に相当する建材が使用されているかを表示しています。bの対象としては、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼンの5物質を選定し、実測による評価方法基準を定めています。
ホルムアルデヒド対策・ホルムアルデヒド放散等級については、F☆☆☆☆対応の内装建材を使用し、 全般換気を行うことにより、高い等級表示が可能です。
(住宅性能評価・表示協会抜粋)
1、ホルムアルデヒト対策 (フォースター建材の使用F☆☆☆☆)
森脇工務店では、床・壁・天井や造作材の低ホルムアルデヒドを徹底追及。建築基準法の規制対象となる内装仕上げ材と天井裏等の建材には、ホルムアルデヒド発散量が少ないF★★★★ランクの建材を使用するなど、徹底した健康配慮をしています。(積水ハウス)
(一条工務店↓)
建材や家具、日用品にも含まれる化学物質は、シックハウス症候群の一因とも言われます。
家具や、日用品にも使われているホルムアルデヒド。
近年、新建材などから放散する化学物質が原因といわれる”シックハウス症候群”が問題になりました。新築住宅への入居後もしくはリフォーム後1年以内に発症するケースが多いようです。国内での患者数は1,000万人を超えたといわれ、なかでも在宅時間の長い主婦、子供の割合が多くなっています。シックハウスの主原因は、ホルムアルデヒド・VOC(揮発性有機化合物)などの化学物質です。ホルムアルデヒドは、建築材や壁紙の接着剤といった建材以外にも、家具やじゅうたん、書籍(印刷物)、履物などにも使われることが多い化学物質です。
シックハウスの主原因は、化学物質による空気汚染です。
シックハウス症候群は、ホルムアルデヒドなどの有害化学物質が室内に放散し、その汚染された空気にさらされ続けることによって発症するといわれます。目がチカチカしたり、鼻や喉が痛くなる、頭痛がする、ふらふらする、皮膚が痒くなる、疲れやすくなるなど、その症状は人によって様々です。しかし、ひどい場合には吐き気をもよおしたり、不整脈、手足のしびれ、呼吸器障害などを引き起こすことも確認されています。
近年の住宅の高気密化、換気不足も一因に・・・?
シックハウスがここまで社会問題化してしまった背景には、有害化学物質の規制強化の遅れだけでなく、近年の住宅の高気密化に対して十分な換気対策が伴わなかったことがあると指摘されています。密閉された室内で有害化学物質を大量に吸い込んだり、また微量ながらも長期にわたって吸引し続けることで、ある日突然発症します。一旦発症してしまうと、身近にあるすべての化学物質に反応してしまうことになり、日常生活に極めて大きな支障をきたしてしまいます。ですから、化学物質過敏症などのアレルギー疾患は、なってしまう前に”予防する”ことが何より重要なのです。
シックハウス症候群とは・・・
契機となったのは1973年のオイルショック後、欧米で原因不明のビル居住者の病気が多発、これをシックビル症候群として調べたところ、省エネルギー策でビルの換気を大幅に抑制したのが原因と分かったことによる。その後、デンマークの工科大学のメルブ氏とファンガー氏のグループによってシックビルディング・シンドロームという言葉が報告されている。日本では歯科医師の上原裕之氏が1995年に、医院付き新居で悩まされていた症状に「シックハウス症候群」と命名したことが始まり。シックハウス症候群という用語は日本の家というものに対する症候群ということで、現在では各国でも認知されている。
主な化学有害物質と特徴
①ホルムアルデヒド(CH20)
合成樹脂、接着剤に含まれる。合板は接着剤を多量に使うため多く含まれる。37%のホルムアルデヒドと9〜13%のメタノールを含む水溶液がホルマリンで、防菌・防虫剤として広く使われている。気管支ぜん息の患者が0.25〜0.5ppmの暴露で激しいぜん息の発作を起こすと言われている。
②揮発性有機化合物(VOC) = Volatile Orgenic Compound
数百種類の脂肪族、芳香剤の炭化水素、塩素炭化水素、各種ケトン類、アルデヒド類などが含まれる。
1.常温で液体であり揮発しやすい
2.脂肪溶解性がある
3.引火性の強いものもある
軽度の場合は、興奮、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、中度で食欲減退,息切れ、
動悸、手足のしびれ、重度で死亡に至る。
シックハウス対策における主な留意点とは。
有害化学物質によるシックハウス症候群を予防するためには、(1)化学物質の発生源をできる限り減らすこと。併せて(2)適切な換気を実行することが不可欠です。ちなみに2003年7月1日に改正された建築基準法では、シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、住宅などの建築物に使用する建材が規制され、換気設備の設置も義務付けられました。住まいづくりの際には、住宅メーカーがJAS及びJIS規格による「F☆☆☆☆」の付いた低ホルムアルデヒド部材を使っているかどうかを確認することも大切です。また、建材以外の家具や日用品などについては化学物質の含有量の表示対象になっていないケースも多いので要注意です。こうした日用品からも化学物質が放散する可能性が高いとして、改正建築基準法では、建材の規制に加えて、原則すべての建築物に機械式換気設備の設置を義務付けたのです
ホルムアルデヒド発散等級
内装及び天井裏等
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その他 |
特にホルムアルデヒドへの対策はない。 |
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ホルムアルデヒドの発散が少ない |
ホルムアルデヒドを発散する建材は全て
JIS・JAS規格F☆☆☆以上 |
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ホルムアルデヒドの発散が特に少ない |
ホルムアルデヒドを発散する建材は全て
JIS・JAS規格F☆☆☆☆以上。 |
2、24時間換気