9.高齢者や障害者への配慮

(高齢者等への配慮)

加齢、病気、怪我などによって、身体の機能が低下すると、歩き、立ち座り、建具や設備の操作などの日常の動作が負担に感じられたり、転倒などの思わぬ事故に遭ったりすることがあります。また、車いすを使用したり、介助者の助力を得たりするときに、必要なスペースが確保されていないと、不都合を感じる場合もあります。このような身体上の負担や事故などを軽減するために、あらかじめ住宅の部屋の配置、廊下の広さなどを工夫することが有効な対策と言えます。
高齢者等に配慮した建物の工夫には、必要となった時に簡単な工事で対応できるものもありますが、廊下の幅や部屋の広さなど、変更するには大規模な工事が必要となるものも多くあり、それらはむしろ、新築時点での対策が必要です。ここでは、高齢者等に配慮した建物の工夫の手厚さの程度を等級により表示することとしており、特に、新築時に対策を講じておかないと対応が難しい、移動時の安全性の確保、介助のし易さに着目しています。
また、移動時の安全性と介助の容易さを考える際に、住宅の内部と、共同住宅等の共用部分とでは、用いる車いすの種類が異なることなど、想定される状況が大きく異なります。

高齢者等配慮対策等級 専用部分

建築基準法レベル 基準法に定める程度の移動時の安全性が確保されている
高齢者等に対する基本的なレベル 高齢者や小児が安全に移動するための基本措置が講じられている。
車椅子の使用に対応できるレベル 高齢者や小児の移動の安全と、車椅子生活に対応するための基本措置が講じられている。
車椅子での生活が容易なレベル 高齢者や小児の移動の安全と、車椅子生活が容易に行えるような措置が講じられている。
特別に配慮されたレベル 高齢者や小児の移動の安全と、車椅子生活を行うために特に配慮された措置。
手すりの設置
室内段差の解消
階段 室内建具
浴室、トイレ手摺 玄関段差